もののけ姫のアシタカは呪いを解きアザは消えるのか?悲劇のヒーローの心境は?

(引用元:フリー画像)

 

もののけ姫の主人公であるアシタカって容姿もイケメンだし、

強くて、礼儀正しくて大好きなファンはきっと多いはず!

 

そんな彼は物語の冒頭に厄介な呪いを受けることになるのはご存じですね。

しかし、その呪いやアザが何を意味するのか?

本当の意味で深く理解している人はあまりいないのではないでしょうか?

 

今回は、もののけ姫の主人公アシタカが受けた呪いや

アザに関する裏設定をご紹介いたします。

 

あまり表情を表に出さないアシタカですが、

呪いを受けたアシタカはいったいどんな心境だったのでしょう。

 

この記事を読んだ後、

あなたはもっとアシタカが好きになっているはずです。

 

 

目次

アシタカはどのようにして呪いを受けたのか?

まずはアシタカがどのようにして呪いを受けたのか、

また、あのドス黒いタタリ神と呼ばれる化け物はいったい何なのかに注目したいと思います。

 

アシタカが受けた呪いの経緯

https://twitter.com/AsatGoGO_game/status/1262380253646860288

 

突如現れた得体のしれない化け物がアシタカの村を襲い始めました。

アシタカは村を守る為、

化け物に果敢に立ち向かっていきますが、

その時に彼の右腕にグネグネと動く触手が絡まってきます。

 

なんとか仕留めるも右腕にはアザだけが残ってしまいました。

 

アシタカがタタリ神を仕留めた後に、

村の長老であるヒイ様はタタリ神になったイノシシの前で合唱して言います。

「いずこよりいましあらぶる神とは存ぜぬもかしこみかしこみ申す。
この地に塚を築きあなたのみたまをお祭りします。うらみを忘れしずまりたまえ。」

 

これを簡単に説明すると、

「あなたの死体の位置にそのままお墓を作って、

あなたの魂をお祈りしますのでこれ以上祟らないでください。」

という意味です。

 

するとタタリ神は

「けがらわしい人間どもよ。わが苦しみと憎しみをるがいい…」

と言って肉がドロドロと溶け出して最後は骨だけが残るのです。

 

その夜、ヒイ様から説明を受け、呪いを受けたことがわかります。

 

もののけ姫の冒頭5分ぐらいがこの場面です。

かなりエグいですよね…。トラウマになっちゃいそうです。

 

そして作画もリアルに描かれていて、

肉が溶けていくときのタタリ神の表情が

ニタリと笑っているように見えて不気味なんですよね。

細かい所が丁寧に描かれているなと感じます。

 

タタリ神とは一体何者?

赤黒い粘り気のある蛇のような、

ミミズのような触手で体全身が覆われ、

胴から生えた8本の足で標的めがけて全速力で向かってきます。

その姿はまるで黒い蜘蛛のようです。

目は真っ赤に光って、

目を合わせたら最後、絶望しか待っていなさそうですよね。

 

アシタカの村を襲ったタタリ神は、元は巨大なイノシシ神でした。

なぜこのような姿に変わり果ててしまったのでしょうか。

 

この姿は「恨み辛みの怨念と死に対する恐怖心」が膨れ上がり、

それに耐えられなくなったエネルギーが爆発した姿なのです。

タタリ神の死体の中からは石火矢の礫が見つかります。

(後にエボシの仕業とわかります)

 

イノシシ神は、人間が森を破壊していくことに耐えられなくなり、

懸命に自分たちの居場所を守ろうとしたにも関わらず、

最後には人間の放った礫によって傷を負わされたことで

死への恐怖心が芽生え始めました。

 

この怒りと憎しみはどんどん大きくなり、

自分でもこの気持ちを何処へぶつければいいのか分からなくなっていきます。

そして最後は守り神からタタリ神へと変わってしまったのです。

 

まさに憎悪の塊と言っていいでしょう。

 

本来イノシシの足は4本なのですが、

このタタリ神には足が8本ぐらい生えているのが確認できます。

 

これは、土蜘蛛を表しており、

皇室に従属しない、各地の豪族やその一門を指す言葉です。

 

源頼光伝説に登場する土蜘蛛は、

鬼の顔に虎の胴体、蜘蛛の手足を持ち、

一部の牛鬼に近い部類の姿をしています。

妖怪、または怨霊として人々から恐れられ、

土蜘蛛が再び復活しないように五体をバラバラにして封印したという説も残っています。

 

 

受けた呪いを解いてアザを消す方法は?

アシタカは村を去ったのではなく追い出された

「かのシシははるか西の土地からやって来た。
深傷の毒に気ふれ身体はくさり、走り来る内に呪いを集め
タタリ神になってしまったのだ。
西の土地でなにか不吉なことがおこっているのだよ。
その地におもむきくもりない眼で、物事を見定めるなら
あるいはその呪いを断つ道が見つかるかもしれぬ。」

 

このヒイ様の言葉でアシタカが西に旅立つ決意をし、

もののけ姫のストーリーは始まっていくのですが、

実はヒイ様はアシタカを自分たちの国から追放しようとしているのです。

 

なぜ、ヒイ様はアシタカを追放しようとしているのでしょうか?

 

その理由は、アシタカが呪いによってタタリ神になっていくことをヒイ様は知っていたからなのです。

 

村を襲ったイノシシも初めは理性で抑えていましたが、

恨みや憎しみが増していくとコントロールが効かなくなり

タタリ神になってしまいました。

同様に、呪いを受けたアシタカも今は理性があるけれど、

「なんで自分がこんな呪いを受けないといけないんだ!」

と自分の運命をきっと恨んでいくことでしょう。

 

その恨みが大きく膨らみ、

アシタカの最後はタタリ神という化け物になっていくことを悟ったのです。

 

タタリ神の呪いが怖いのではなく、

アシタカ自身がタタリ神になって村を襲うことを恐れたのです。

 

西に行けば呪いを解くカギが見つかる?

なぜ西に行くのでしょうか?

ヒイ様の説明だとイノシシ神が西からやって来たからだと言っていました。

 

これは単に西からやって来たからそこに向かうという意味ではなく、

古くからの考え方に「タタリはタタリ返さないと無くならない」という教えがあります。

これを「意趣返し」(いしゅうがえし)と言って、

アシタカを利用して恨みを返し仕返しをしようと考えたのです。

村を守る為とはいいますが、おばあちゃん。

優しそうな顔してスゴイことやっちゃってくれますね。

 

アシタカが受けた呪いの威力

アシタカの右腕に呪いのアザができてからは、

人間離れしたすごい威力をもつようになります。

いったいどんなチート技を手に入れたのでしょうか!

 

・飛んでくる矢を素手でつかむ

そして捉えた矢でさらに攻撃と、

矢のキャッチ&リリースは見ていてかっこいいと思わず見惚れてしまいます。

 

・侍たちの腕や首を吹っ飛ばす

侍たちに放った矢は勢いを増し、

まるで爆弾で吹き飛んだみたいにスパッと飛んでいきます。

一瞬の出来事なので、

飛ばされた当人も状況が直ぐに飲み込めず、

気が付いたらその場に倒れてしまいます。

これはかなりショッキングな映像でした。

 

・指先で刀を捻じ曲げる

アシタカの動きを止めようと刀を向けたゴンザでしたが、

親指と人差し指だけで刃先を掴んで

おもちゃの刀みたいにグニャグニャにしてしまいます。

 

・片腕だけで大きな扉を開ける

大人10人でやっと開けることのできる大きな木の扉。

アシタカは体に大きな傷を負っているにも関わらず、

右腕だけで重たい扉を開いてしまいます。

 

この場面だけを見るとアシタカって強いな。

かっこいいなと思ってしまいがちなのですが、

これは呪いによってどんどんアシタカがタタリ神に近づいている様が描かれているのです。

 

アシタカは必至に制御しようとしているのですが、

怒りや憎しみによって力が暴走している。

まさにタタリ神そのものなんです。

 

意味を知ったうえで見るとなんだかとても複雑な気持ちになってきますね。

 

 

アシタカのアザが最後まで残っている理由は?

もののけ姫のラスト、アシタカが自分の腕を確認する場面があります。

確かに前よりはアザの色が薄くはなっているのですが、

呪いは完全に消えたのでしょうか?

 

アザがまだ残っていることから

「呪いは完全に解けてはいない」

という都市伝説もあるようですが、

呪い自体は完全に解けたという説が強いです。

 

これはアシタカのセリフからも理解できます。

「シシ神さまは死にはないよ。生命そのものだから…
生と死とふたつとも持っているもの…
わたしに生きろといってくれた」

 

この呪いは「爆発的な力を手に入れる代わりに、命を少しずつ削り取られる」というものです。

 

「生きろといってくれた」→
「命を削られることはない」→
「呪いは消えた」と解釈して良いのではないでしょうか。

 

アシタカが森の生き物たちの為に必死に守ってくれたので、

シシ神様が呪いを解いてくれたのです。

しかし、アシタカの右腕の呪いは解けましたが、

完全にアザまでは消えていません。

人間は時が経つにつれ、

自分の過ちを忘れてしまう生き物です。

再び同じことを繰り返さないように、

惨劇を生まないように。

アザにはそんなメッセージが込められています。

 

これからは自然と人間がともに

仲良く共存できる世界を築き上げてほしいという

シシ神様の思いも込められているんでしょうね。

 

 

まとめ

アシタカが村を去る時にカヤと別れる場面で、

恋仲の女性と別れるのになぜかあっさりしているし、

顔もスッキリした表情をしています。

しかしその裏では、

呪いを受けたことにより絶望と怒りと悲しみで真っ黒な状態だったのです。

 

愛おしい女性の前では辛い顔をしたくないために、必死に笑顔を作っているんだ

と後に宮崎監督は語っています。

 

アシタカって顔も男前ですが、心意気まで男前だったんですね。

自然と人間がともに生きる方法を探していくのが

もののけ姫の最大のテーマですが、

それと同時にアシタカの呪いを解くことも本作の目的でもあります。

 

呪いの意味や主人公の心情を知ると、より深く

もののけ姫がわかりやすくなりますね。

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